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インプラント周囲炎になると歯茎はどうなるかについて解説
2024年5月1日(水)
はじめに
インプラント治療は、失った歯の機能を回復させるために有効な治療法ですが、適切なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎を発症するリスクがあります。インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯肉や骨の炎症を引き起こし、最悪の場合、インプラントの脱落につながる可能性があります。本記事では、インプラント周囲炎が歯茎に与える影響について詳しく解説します。インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯肉や骨に炎症が生じる疾患です。原因としては、不十分な口腔衛生管理、喫煙、全身疾患、過度の咬合力などが挙げられます。インプラント周囲炎は、インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲骨炎の2つに分類されます。
①インプラント周囲粘膜炎
インプラント周囲粘膜炎は、インプラント周囲の歯肉に炎症が生じる状態です。歯肉の発赤、腫脹、出血などの症状が現れます。この段階では、骨の吸収は起こっていないため、適切な処置を行えば改善が期待できます。②インプラント周囲骨炎
インプラント周囲骨炎は、インプラント周囲の骨に炎症が及んだ状態です。歯肉の炎症に加えて、骨の吸収が進行します。放置すると、インプラントの動揺や脱落につながる可能性があります。インプラント周囲炎のリスク要因 以下のような要因がインプラント周囲炎のリスクを高めることが知られています。
✓不十分な口腔衛生管理 歯ブラシやデンタルフロスによる清掃が不十分だと、インプラント周囲に細菌が蓄積しやすくなります。
✓喫煙 喫煙は歯周病のリスクを高めるだけでなく、インプラント周囲炎の発症にも関連があります。
✓全身疾患 糖尿病などの全身疾患がある場合、感染に対する抵抗力が低下し、インプラント周囲炎を発症しやすくなります。
✓過度の咬合力 ブラキシズム(歯ぎしり)などにより過度の力がインプラントにかかると、インプラント周囲の骨や歯肉に負担がかかります。
✓インプラントの不適合 インプラントの形状や位置が適切でない場合、力の分散が不均一になり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
これらのリスク要因を理解し、適切に管理することが重要です。
インプラント周囲炎が歯茎に与える影響
①歯肉の発赤・腫脹
インプラント周囲炎が発症すると、歯肉に炎症が生じ、発赤や腫脹が見られます。炎症が進行すると、歯肉が盛り上がったり、インプラント周囲に膿が溜まったりすることがあります。②出血
歯ブラシやフロスを使用した際に、歯肉から出血することがあります。これは、炎症によって歯肉が脆弱になっているためです。出血が頻繁に見られる場合は、インプラント周囲炎が疑われます。③歯肉退縮
インプラント周囲炎が進行すると、歯肉が退縮し、インプラントの表面が露出することがあります。歯肉退縮が進むと、審美性の低下だけでなく、インプラントの支持力も失われ、脱落のリスクが高まります。④口臭
インプラント周囲に食べかすや細菌が溜まると、口臭の原因になります。インプラント周囲炎が発症している場合、口臭が強くなることがあります。⑤痛み
炎症が進行すると、インプラント周囲の歯肉に痛みを感じることがあります。痛みは、食事の際に特に強く感じられます。インプラント周囲炎の予防と治療
①適切な口腔衛生管理
インプラント周囲炎を予防するためには、適切な口腔衛生管理が不可欠です。歯ブラシやフロスを使用して、インプラント周囲の清掃を行いましょう。また、定期的な歯科検診を受けることも重要です。②専門的なクリーニング
歯科医院での専門的なクリーニングを定期的に受けることで、インプラント周囲の汚れや歯石を除去できます。これにより、インプラント周囲炎の発症リスクを減らすことができます。③早期発見・早期治療
インプラント周囲炎を早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。初期段階であれば、歯肉の炎症を改善させるための処置で対応できる場合があります。炎症が進行している場合は、外科的処置が必要になることもあります。④生活習慣の改善
喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高めます。禁煙することで、インプラント周囲炎の発症リスクを減らすことができます。また、糖尿病などの全身疾患がある場合は、疾患のコントロールを適切に行うことが重要です。インプラント周囲炎の診断 インプラント周囲炎の診断には、以下のような方法が用いられます。
✓視診・触診 歯科医師が目視で歯肉の状態を確認し、手で触れることでインプラントの動揺や歯肉の腫脹などを検査します。
✓X線検査 デンタルX線撮影により、インプラント周囲の骨の状態を評価します。骨吸収の程度や範囲を把握することができます。
✓プローブ検査 歯周ポケット測定用のプローブを用いて、インプラント周囲の歯周ポケットの深さを測定します。深い歯周ポケットは、インプラント周囲炎の存在を示唆します。
✓細菌検査 インプラント周囲の細菌を採取し、検査することで、原因菌の種類や量を特定できます。これにより、効果的な抗菌療法を選択することができます。
これらの検査結果を総合的に評価し、インプラント周囲炎の診断と重症度の判定を行います。早期発見と適切な治療開始が、インプラントを長期的に維持するために重要です。
まとめ
インプラント周囲炎は、歯肉に様々な影響を与えます。発赤、腫脹、出血、歯肉退縮、口臭、痛みなどの症状が現れることがあります。適切な口腔衛生管理と定期的な歯科検診により、インプラント周囲炎を予防することが重要です。もし症状が現れた場合は、早期に歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。
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