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インプラントの埋め込みについて
2023年11月17日(金)
インプラント埋め込みのメリットとデメリット
インプラントとは、失った歯の機能を回復させるために、顎の骨にネジを埋め込んで歯を固定する治療法です。入れ歯やブリッジと比較して、インプラントには以下のようなメリットがあります。
- 天然歯と同じように噛める
- 隣の歯を削る必要がない
- 骨の吸収を防ぐ
- 審美性が高い
- 長持ちする
一方で、インプラントには以下のようなデメリットもあります。
- 手術が必要である
- 費用が高い
- 治療期間が長い
- トラブルや感染のリスクがある
- メンテナンスが必要である
インプラント治療を受けるかどうかは、患者さんの歯の状態や希望、費用や時間などの条件によって異なります。インプラント治療のメリットとデメリットをよく理解した上で、歯科医師と相談して決めましょう。
インプラント埋め込みの手術の流れと回復期間
インプラント埋め込みの手術は、一般的には以下のような流れで行われます。
- 歯科医師とカウンセリングを行い、インプラント治療の計画を立てる
- 口腔内や顎の骨の状態を検査し、インプラントの種類や位置を決める
- 麻酔をかけて、顎の骨に穴を開けてインプラント体(人工歯根)を埋め込む
- インプラント体と骨が結合するまでの間、仮の歯を装着する
- 骨との結合が確認されたら、インプラント体にアバットメント(接続部)を取り付ける
- アバットメントに上部構造(人工歯)を固定する
インプラント埋め込みの手術は、一度にすべての工程を行うワンデイインプラントと、数回に分けて行うステップインプラントがあります。ワンデイインプラントは、手術時間が短く、すぐに人工歯を装着できるというメリットがありますが、骨の量や質が十分でない場合や、感染や炎症が起こりやすい場合は適応できません。
ステップインプラントは、手術時間が長く、治療期間も長いというデメリットがありますが、骨との結合がしっかりと確認できるため、安定性や成功率が高いと言われています。
インプラント埋め込みの手術後は、歯茎や顎の骨に痛みや腫れが生じることがあります。これは、手術による正常な反応であり、通常は数日から数週間で治まります。
しかし、痛みや腫れがひどい場合や、長期間続く場合は、感染や炎症の可能性がありますので、すぐに歯科医師に相談してください。また、インプラントの周囲に食べ物が詰まったり、歯垢が溜まったりすると、インプラント周囲炎という病気になることがあります。
インプラント周囲炎は、インプラントの寿命を縮めたり、失敗の原因になったりすることがありますので、注意が必要です。
インプラント埋め込みの手術後の回復期間は、個人差やインプラントの種類や数によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
- インプラント体の埋入からアバットメントの取り付けまで:3ヶ月〜6ヶ月
- アバットメントの取り付けから上部構造の固定まで:2週間〜4週間
インプラント埋め込みの手術は、比較的安全な治療法ですが、完全に無リスクというわけではありません。手術中や手術後に、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 出血や痛み
- 腫れや炎症
- 感染や発熱
- 神経障害や麻痺
- インプラントの緩みや抜け
- インプラント周囲炎や骨吸収
これらのトラブルを防ぐためには、手術前に歯科医師と十分に相談し、自分の健康状態やアレルギーなどを伝えることが大切です。また、手術後には歯科医師の指示に従って、適切なケアやメンテナンスを行うことが必要です。
インプラント埋め込みの費用と保険の適用
インプラント埋め込みの費用は、歯科医院やインプラントの種類、治療箇所や本数、追加治療の有無などによって異なりますが、一般的には1本あたり20万円から40万円程度かかります。
インプラント埋め込みには、以下のような費用が含まれます。
- 検査・診断料:1.5万円~5万円
- インプラントの手術代:15万円~35万円
- 上部構造手術費:5万円~20万円
インプラント埋め込みの費用は、基本的に健康保険が適用されません。しかし、以下のような場合は、保険適用の対象となることがあります。
- 病気や第三者行為の事故によって、顎の骨が広範囲に渡って欠損した
- 生まれつきの1/3以上の顎の骨の欠損や形成不全がみられると診断された
- さらに条件が整った施設での治療が必須
保険適用の場合は、医療費の3割を自己負担することになります。
また、高額療養費制度を利用することで、自己負担額をさらに抑えることができます。詳しくは、治療された医療機関や最寄りの税務署にお問い合わせください。
保険適用外の場合でも、医療費控除の申請を行うことで、支払った治療費の一部が還付金として戻ってくる可能性があります。医療費控除を受けるためには、翌年の確定申告期間に最寄りの税務署に確定申告書や領収書などを提出する必要があります。
詳しくは、治療された歯科医院や最寄りの税務署にお問い合わせください。
インプラント埋め込みの成功率とリスク
インプラント埋め込みの成功率は、上顎で92~94%、下顎で95~98%と高い水準です。また、手術後10年以上での成功率は96%、5年以上で98%以上という数字もあります。インプラント埋め込みの成功率は、歯科医院の技術や設備、使用するインプラントのメーカー、患者さんのお口や全身の状態、ケアの方法などさまざまな条件によって左右されるため、歯科医院や治療箇所によって異なります。単純に比較しないように注意しましょう。
インプラント埋め込みには、以下のようなリスクもあります。
- インプラントが骨と結合しない(オッセオインテグレーションが失敗する)
- インプラント周囲炎(インプラントの周りに炎症が起こる)
- インプラントの破損や脱落
- 神経損傷や感覚障害
- 出血や感染
- 上顎洞の穿孔(上顎の骨の中にある空洞に穴が開く)
インプラント埋め込みのリスクを減らすためには、以下のようなことが重要です。
- 歯科医院や歯科医師の選び方に注意する(インプラント治療の経験や実績、設備や技術、アフターケアなどを確認する)
- 治療前に十分な検査や診断を受ける(骨の量や質、全身の健康状態、アレルギーなどをチェックする)
- 治療後に定期的なメインテナンスを受ける(インプラントや周囲の歯や歯茎の状態をチェックし、清掃や調整を行う)
- 自己管理を徹底する(インプラントや周囲の歯や歯茎の清潔さを保ち、喫煙や飲酒を控える)
インプラント埋め込みは、高度な技術と知識を要する治療です。インプラント治療を受ける前には、費用や保険の適用、成功率やリスクなどを十分に理解し、納得できる治療法を選択しましょう。インプラント治療に関するご相談やご質問は、お気軽に当院までお問い合わせください。
にじいろマイクロスコープセラミック歯科では経験豊富なインプラント認定医による無料相談を行っております。
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