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歯医者さんの悩み【ツラいこと編】
2023年2月6日(月)
歯科治療は、患者さんにとってツラくて大変なことが多いかと思います。
でも、実は歯医者さんにとってもツラい時があります。
ケース1 メンテナンスの必要性を伝える時
治療が完了し、今後は3か月に1回のメンテナンスに来ていただくようになります。
ただ中には、患者さんの「これで終わりじゃないんですか・・・」「こんなに通ったのにまだ続くのか・・・」「本当にメンテナンスって必要なの?」という心の声を感じることがあります。
治療の完了はゴールではなく、これからのスタート地点だと思っていただきたいです。
これまでの治療が大変で、何度もお時間をいただき通院していただいた大変な気持ちもわかります。せっかく時間をかけて治した歯周病が再発もしくは再度治療になっては困りますよね。
だからこそ、その頑張りを繋げて、メンテナンスをしていきましょう。
ケース2 歯周病を伝える時
「むし歯はありますか?」という言葉を良くお聞きしますが、「歯周病ですか?」と聞かれることは多くはありません。
むし歯がなくても歯周病の方は多くいます。その中でも、痛みなどの症状がない方が多いためか、治療の説明をお伝えしても、治療に至らない場合も多々あります。
歯周病の程度の診断をするためにはレントゲン検査、歯周ポケット検査、歯肉の状態、噛み合わせなどを総合的に歯科医師が判断します。
検査の結果、患者さんが実感できるのは歯周ポケットの値ぐらいでしょうか。あとはあまりピンとこない場合が多くあります。
レントゲンも、あの白黒の像で説明を受けてもわかりにくいものです。
噛み合わせや、その他の所見も似たり寄ったりでしょうか。
歯周ポケットについても、「5mmの歯周ポケットがあります」と説明されても、患者さんからすれば普段は何も支障がなく、治療をしないといけないことはわかっていても、すぐに手遅れになるというわけではなければ、なかなか前向きに進めないこともあるかと思います。
皆さまのお口の状態をより良くしたい一心で、日々勉強や治療に励んでいます。患者さまやスタッフと関わることで自分が大切にしていることは、信頼関係を構築することです。そのために常に目の前の相手と向き合い、誠実に行動することを意識しています。
ただ、いくら丁寧に説明しても、言葉だけではよく伝わらないことが多々あるものです。そこで当院では患者さんの口の中をマイクロスコープを使用した写真を撮影して、経過を確認してもらっています。
「これが自分の歯?」と、良くなっていることが目に見えると、受診のモチベーションも上がってきますよ。
また、声かけを心がけるようにしています。ケアの最中は皆さん、目をつぶっていることが多いため、機器から水を出したりチェアを倒したりする時にひと声かけるようにしています。ご高齢の方の場合はなるべく耳元で話したり、お子さまは怖がらせないようにどのような器具で何をするのかをこまめに伝えたり、そうした心遣いを忘れずにいたいです。
これからもそのような想いを込めて治療計画の相談をさせていただきますので、皆さまも前向きに耳を傾けてみていただけると幸いです。